fufufunaの日記

独身女が愚痴をこぼしたり

いかりのまえば

前歯が二本出てる。

わりと出てる。

 

ものすごくコンプレックスで、気にしてるって事を周りに言えないくらい気にしてる。

出っ歯のせいで口が上手く閉じないし、笑顔になると歯茎が出る。

ものすごく、ものすごく気になる。

 

ただ、以前の私はこんな可愛くない奴がさらにお金をかけて歯並びをよくしたところで…と卑屈マックスだったので、気になるという事実を気にしないようにしていた。

 

それがカウンセリングにより、自分の気持ちに正直になることは良いことだと気付き、そして自分の気持ちに正直になった結果前歯がどうにも我慢できない事に気付いた。

 

そして、タイミングがいいんだか悪いんだか、最近のパニックにより、勢いに乗って私は歯医者の予約もしていた。

 

そもそも、歯医者が、怖い。

 

 

私は、虫歯が多い子どもだった。

子どもの頃に通っていた歯医者は親戚がやっていたのだけれど、親戚のおじいさんはカットバン貼った手で私の口の中に手を突っ込んでくるような人で、恐ろしかった。

「ちびちゃんちびちゃん」と可愛がってくれてはいたのだけれど。嫌いではないのだけれど、独特の世界観のある歯医者だった。

そして痛かった。麻酔とかない。

 

だから治療は半端にして放っておいてた。

そしたらものすごく痛くなって泣いた。17歳くらいの時。

結構大人になりつつあったのに、歯が痛くて痛くて親の前でわんわん泣いた。

父親から正露丸を勧められ、歯に詰めながら、これは大学生までに虫歯をなんとかせんとあかんと本気で思い、春休み、歯医者に再び通うことにした。子どもの頃とは違う、普通の清潔な歯医者に。

想定の範囲内の痛みで治療は続き、奥歯3本の神経を抜くという現実に耐え、口の中のC3POみたいな音にも耐え、ぶちぶち刺してくる針の衝撃にも耐えていたとき。

針が、一刺しだけ、神経あるとこに刺さった。

 

痛みはもう覚えてない。

実際は一瞬のことだった。

 

でも、もうそれで決定的に歯医者が無理になった。

 

 

そんな私も大人になり、親知らずが生え、なんか歯石とかも気になるけど、なんとなく歯医者に行こうという気持ちにならずに今まできた。

本当は去年行こうと思ったんだけど、怖すぎて予約できなかった。

 

で、今このパニックに乗じて歯医者に行くことにした。

 

特に気になるとこも痛みもないので、口の中を全体的に見て欲しいと問診票に書き、名前を呼ばれ、椅子に座り、ぷるぷる震えてたら、先生は「怖いよな〜〜」と笑い、「じゃあ、気を付けて診るから!」と言ってくれた。

 

簡単に私の口の中を見た先生は、「特に大きな虫歯はないけど、歯並びだね。これ気になるでしょ」 と私の前歯をコツコツたたいた。

 

ええもう、本当に、本当にそうなんですという気持ちを抑え、「矯正するか迷っていて…」と控えめに言ったところ、「これ治すとずいぶん感じ変わると思うよ」と、また言ってくれた。

さらに、歯の写真を見ながら、「この形だと、手術必要で、多分保険が適用になります」と、推しの一手をくれた。

 

まじか。

この前歯は治るのか。

保険も効くかもしれないのか。

そうか。歯並びは、治せるのか。

自分の嫌いなところって、治して行けるのか。

 

 

なんか今、ウキウキしている。

気持ちは完全に矯正することに傾いている。

歯医者の予約は来月しか取れなかったけど、私は早く矯正に向けて行動したい。

 

友達にいい矯正歯科を紹介してもらったので、早速明日電話してみようと思う。

手術どんとこい。貯金もはたいてやる。痛いのも、多少の不便も我慢する。

 

前歯が出ていない、心からにっこり笑える私をはやく見たい。